あかりをつないでー
Akari Facility Design WEB Magazine

音のない“余白”を
いかにカッコ良くするか。

バンドも仕事も
いろんなパートがあって成り立つ。

廣野 石野さんと仕事のつながりができたのは、僕が家を建てるのをお願いしてからでしたね。

石野 バンドでのつながりしかなくて、お互いの職業はあまり気にしていなかった。僕が大工だって知ったのも知り合ってから結構経ってからでしょう?

廣野 石野さんが大工さんだと知ったとき、迷いなく、家を頼もうと思いました。どんな人か音楽を通じて分かっていたから。そういうつながりで自分も助けられているし、仕事のつながりも広がってきたんだと、仕事で責任ある立場になってから気づきました。

石野 趣味でも仕事でも人のつながりって大事だよね。特に音楽でつながる人は、その人のことがすぐに理解できるし、感性が通じ合うから一緒に仕事をしても上手くいく。僕はね、仕事は音楽と同じだと常々思ってる。バンドっていろんなパートがあって、音を奏でて曲をつくりあげていくでしょう?仕事も同じ。いろんなプロフェッショナルが集まって、それぞれの役割を果たし、ひとつの仕事をつくりあげていく。そしてつくり出したものを通して、メッセージを伝えていく。これってもう、音楽以外に例えようがない。

廣野 確かに音楽は呼吸とか間とか大事で、一緒に仕事をするパートナーともそういうリズム感は大事。

石野 僕の場合は特に家を建てるとき、高性能住宅であることプラス、温度・風・音・光という五感に対する感性を大切にしている。家づくりも音楽に通じているんだよね。例えば、空間=休符をどう生かすかでカッコイイかどうかが決まると思ったり(笑)。

廣野 あ、それ、すごく分かります!音のない“余白”の部分をいかにカッコ良くするか、バンドをやっているとすごくこだわりますよね。そういうこだわりは、僕も仕事で確かにありますね。この空間を生かす最高のあかりの位置・明るさ・器具を決めて配線をデザインする。お客様が喜んでくださることを思い描いて。

石野 こだわりを持って仕事をするのは当たり前だけど、そこが合うかどうかでメロディやフレーズが変わってくる。だから僕は“共鳴”できる相手と仕事をしたいと思うんだ。廣野くんとは、こだわりポイントも共感できる。人間の感覚“五感”はすばらしいってことに気付いてくれて、それにこだわって一緒に家づくりをしてくれる。それぞれの感性を融合することによってメロディやフレーズが変わり、相乗効果で本当に良い仕事ができていると思う。

“共鳴”できる人と仕事をすると未来が開けていく

廣野 そう言ってくださるとうれしいです。僕も、石野さんの家づくりのこだわりは共感できますし、“あかり”に対するこだわりを理解してくれるから、これ以上ないビジネスパートナーだと思っているんです。

石野 それは僕も同じ。この関係性は他では100%ないもの。廣野くんとは音楽で知り合ったから「家づくりは曲づくりと同じ」という感覚を共有できる。感性っていうのは共感し合えるけれど、それが全く同じものかと言えばそうでもない。向いている方向は同じだけどね。似ていても異なる感性が出会うから新しいものが生まれるんだと思う。そういう音楽での感覚を、家づくりでも自然の流れとして感じている。相手がどんなフレーズを出してくるのかワクワクしながら、それが融合したときどんなオリジナルのサウンドができあがるのか、楽しんでいたりしない?(笑)。

廣野 ありますね(笑)。いいものをつくって進化させることが楽しいです。

石野 廣野くんの仕事は、「休符をいかにカッコ良くするか」というこだわりが感じられるよ(笑)。

廣野 石野さんとの仕事は、バンドを組んでいる感じがするんですよ。だからいつもより、音楽性に感性が傾いているのかもしれません。石野さんが家づくりの中で、さりげなく音響や吸音にこだわっているところはすごく好きです。生活の音や会話が快適になりますよね。

石野 そこはほら、バンドマンとして音にはこだわらないと(笑)。最近、音楽よりも仕事の方が進化できる要素が大きいなと、よく思う。

廣野 確かに。いいものをつくって、進化させるのって楽しいですよね。それが仕事だったら、自分のキャリアにもつながるし、お客様の満足感にもつながりますし。どんどん仕事が楽しくなっている感はあります。

石野 自分たちならではのものをつくろうとしていて、それがカタチになっていくのは楽しい。お客様の暮らしにも、僕らが家づくりのときに感じているような、音楽をつくる感覚を楽しんでくれたらうれしいよね。お客様×石野×廣野のセッションは、きっとどこにもないオリジナルを生み出すと思う。

廣野 セッションって言葉、僕と石野さんが一緒に手掛ける仕事にピッタリなフレーズですね。

石野 仕事も音楽もセッション次第でどんどん広がり進化する。この遊びゴコロ、忘れずにいこう!

Takehiko Ishino
Kiyohisa Hirono

音は人の心を映し出す。

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