あかりをつないでー
Akari Facility Design WEB Magazine

エネルギーも農業も
循環して返ってくる
大切なもの

循環型社会をつくる
一端を担う役割も

廣野 摘みとり農園がオープンして、新たにチャレンジしたいことがたくさんあるのではないですか?

三川 舘山寺温泉や周辺の観光施設などとの連携をどんどんやっていきたいです。舘山寺の花火も見えるのでナイター営業をするなど、地域一体となるような付加価値を見つけていければと思っています。

廣野 『ハマナコベリーズファーム』の付加価値は何でしょうか?

三川 40品種約400本のブルーベリーの木があり、品種ごとに実りの時期が違います。2週間サイクルくらいで詰める品種が変わっていくので、6月から9月まで、味の違いを楽しみながら好きな品種を見つける楽しさが体験できると思います。それから、農園のブルーベリーとみかんを使って僕がレシピを考案した、オリジナルスムージーとオリジナルジャムを使ったかき氷もぜひ味わってほしいです。

廣野 商品開発にもチャレンジしているんですね。素材の味が濃くて、とても美味しいです。

三川 ありがとうございます。付加価値をつけることに関しては、他にも構想があるんです。今はコロナ禍でなかなか難しいこともあるのですが、やっぱり子どもたちには現場に行って見て、触れて、体験することの大切さを知ってほしいと思います。作物が生長して自分の口に入る、太陽が電気になって使うエネルギーになるなど、消費と循環のサイクルを知るきっかけになればと思っています。

廣野 消費されるエネルギーが巡って人に返ってくるのだと分かると、とてもすてきなことで大事なことだと実感できますね。

三川 太陽光発電と農業をやっている『ハマナコベリーズファーム』で体験したことが、エネルギーと農業の循環型ライフサイクルや、地域のビジネスの好循環サイクルに少しでも貢献できるようになったら、うれしいですね。

チャレンジを続けて何が未来に必要か追い求めたい

廣野 チャレンジしたいことが尽きない。本当に三川さんのエネルギーに圧倒されてしまいます。

三川 一つのジャンルにこだわらず、広い視野を持ち続けたいと、常に思っているんです。でも農業をやろうと決めてからの、ここ2〜3年はこの環境が心地良くなってしまって、少し視野が狭まっている感じがしているんです。上り調子の今は、この仕事をやれるだけやろうと決めていますが、10年後20年後は世の中の情勢がどうなっているか分かりませんからね。次を常に考えて、新しいものをつくっていく思考を停めないようにしたいと思います。そこには使命のようなものも少しあります。土地も建物も、形があるものを持っているだけで負債になってしまうのは、もう仕方がないことなので、負債にならないものを残していけるようなことをしたいなと。僕たちの代で、もしかしたら負債は減らすことができないかもしれないなら、せめて、負債はつくらないようにと思っています。未来に大切なものの本質は何なのか、これからも追い求めて、できることはチャレンジしていきたいと思います。

廣野 私も、チャレンジしていかなくては。何をやるのか常に考えて。

三川 今はスムージーのことしか考えていないですけど(笑)。

廣野 進化したスムージー、期待しています。美味しいスムージーと三川さんに、エネルギーをもらいました。ありがとうございました。

Hidenori Mikawa
Kiyohisa Hirono
大切なものの本質を
エネルギーと共に考える
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