2025.11.9
Vol.3「光が建築になる夜」
― 大阪万博で感じた“光のスケール” ―

夜の万博を歩いて感じたのは、
光が建物を“見せている”のではなく、
建物そのものを“つくっている”という感覚。

階段のラインを導く光。
その一本一本が、来場者の歩みを静かに誘導している。
光は目立つためではなく、“人の動きと空間の関係”を描くためにある。

木組みの構造をやさしく包む光。
無数の梁と柱が影を落としながら、
あかりによって“呼吸する建築”に変わっていく。

光は、素材の隙間を縫いながら
陰影を描く。
その境界にこそ、温度と奥行きが生まれているんだ。

光が導線を描き、建築がその輪郭を受け止める。
夜のスケールの中に、
人が“点”ではなく“風景の一部”として溶け込んでいく。

眩しさではなく、包まれる明るさ。
演出ではなく、存在を浮かび上がらせるあかり。
“光が建築になる夜”
その言葉の通りの風景が、そこにあった。

2025 Osaka Expo ― 夜のあかりと構造美
Photo & Text : Kiyohisa Hirono

