あかりをつないでー
Akari Facility Design WEB Magazine

女性目線〝やさしいあかり
環境問題を身近に。
北井 久美絵さん
北井 久美絵さん
あかりをつないでくれた方
株式会社 キタイ電気
取締役 北井 久美絵 さん
〒438-0803 静岡県磐田市富丘226−7
TEL 0538-37-1467

電力の自給自足が
当たり前の世の中に。

日々進化する再生可能エネルギーの世界

廣野 今回、北井さんに登場のオファーをした理由は、まだまだ男社会の電気工事業界で、女性が活躍している姿を、クローズアップしたいと思ったからです。その中で、女性目線での電気工事店の未来への方向性、そして、環境問題への取り組みを、私がぜひ知りたいと思ったというのも、理由の一つです。

北井 実は、3月8日は『国際女性デー|HAPPY WOMAN FESTA』という、女性の生き方を考える日なんです。それに合わせて、恵比寿で開催されるトークセッションにゲストとして招かれたのですが、女性目線での『電気工事店の環境問題』について、話すことになっています。今回、この対談のお話を廣野さんからいただいたとき、同じようなテーマだなと思いました。そうやって私のことを評価してくださる方がいるなんて、とても光栄なこと。ならば、お応えしたいなと。

廣野 ありがとうございます。再生可能エネルギーは、まだまだ私も勉強中。先日、農地に設置する太陽光発電についてご相談を受けたのですが、農業と太陽光発電が結びつくなんて、以前は考えられませんでした。

北井 どんどん進化して、いろんな分野でのソーラーシェアリングが広がっています。まさに、農業と太陽光発電は、トレンドとも言えます。太陽光パネルの下で農作物を作るという形は、土地利用、農業、そして環境問題にも、大いに役立つ手段となっています。初期費用の垣根も低くなってきましたし、これからは、太陽光発電と蓄電池を利用した、スイッチ一つで電力の自給自足、が当たり前の時代になります。国も推進しているので、近い将来の話になるでしょう。そして将来的には、個人での電力の自給自足から、ご近所さんや地域で、電力をシェアするスタイルが、当たり前になっていきますよ。考えるとワクワクします。

廣野 電力を近所で分かち合う。グローバル化が進んでいる今の時代で、ご近所という小さなコミュニティが重要になるなんて、ちょっと興味深いですね。

主婦が環境問題解決の先鋒役!?

北井 私も、実家の電気工事店を手伝わなければ、ピンとこなかったかもしれません。電力を取り巻く環境が日々進化する中、キタイ電気の未来に必要なことは何かを考えました。そこで気付いたのが、BtoCに力を入れること。今まで通り、BtoBの仕事は現場の男性陣に任せ、私は、私にできることをやろうと。

廣野 僕のような現場管理者では、日々、取引先の対応について追われて、なかなかBtoCに目を向けられないかもしれません。

北井 それは、私が電気工事の職人ではないから。電気屋という視点で見ることができたから、新しい着眼点になったと思っています。まず私が目指したのは、ご近所さんの電気に関する困りごとを解決する人、という立ち位置。そうして、ご近所の方たちと話をしてみると、相談ごとの中に、個人宅の太陽光発電についての話題が多く上がります。それに付随するように、必ず、環境問題への疑問や感心があることが見えてきました。キタイ電気の得意分野である電気と環境問題は、密接な関係にあります。だったら、電気屋の私が間に入ることで、環境問題はもっと身近で簡単なのだと、受け止めやすくなるんじゃないか。これを私の仕事にしようと思いました。ご近所さんと話をしている中で、最近気がついたのですが、環境問題って、主婦が関わると、とたんに、とっても簡単なことに変わっちゃうんですよね。これは私も目からウロコでした。

廣野 地域から家庭。さらにミニマムなコミュニティへと、目を向けられているんですね。

北井 個人じゃなくて、家庭ってところがポイントです。環境問題って、大きすぎて、一人でやっても意味ないよね、という考えになってしまうこともありますし、もっと貢献したいと思っても、何をやったら良いのか分からないとか、ちょっと難しく考えすぎちゃうような気がするんです。でも、子どもたちって、もっと単純に考えているんですよね。そういう子どもたちと一番接しているのが、お母さん、主婦です。環境問題を子どもと一緒に考え、環境にやさしい行動を選択する。そのとき、主婦の知恵がものを言うんですよ!日々の家事を、どうやって簡単にこなすかを考えるのが得意だから、面倒くさいことを、日常の当たり前にしてしまう。そうやって、環境問題も、いつの間にか、難しくなくて簡単なことだと、家庭内で認識されるようになっちゃう。そこが私の目指す第一歩。そうして徐々に、地域というコミュニティでの、環境問題の取り組みへと、つなげていけたらと思っています。

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